MENUMENU

函館空港

HAKODATE AIRPORT

“地方空港の存在価値”を、ブランド体験から再定義する

函館空港は、北海道南部の空の玄関口として、多くの観光客や地域利用者を迎える地方空港である。 当時、多くの地方空港では、施設やサービスの差別化が難しくなり、「地域ごとの個性」が十分に可視化されないまま、横並びの状態が生まれていた。空港そのものも、“移動のためのインフラ”として認識されることが多く、地域独自の魅力や存在価値を十分に発信しきれていない状況があった。 一方、地方空港の民営化や観光競争が加速する中、空港には単なる交通機能だけではなく、「地域と人をつなぐブランド体験」が求められ始めていた。 本プロジェクトでは、函館空港を単なる地方空港ではなく、「函館という地域と最初に出会う場所」として再定義し、地域ブランドと接続した新しいブランドコミュニケーションを構築している。 BOELが地域ブランドプロジェクト「函と館」を通じて整理してきた、“函館らしさ”の思想やナラティブとも接続しながら、地域ブランドと空港体験を統合するブランドエクスペリエンス設計を行った。

課題

地方空港が、“地域ブランドの入口”として機能しきれていなかった

函館空港は、多くの人にとって函館という地域と最初に接触する場所である。しかし当時の空港体験は、フライト情報や施設案内を中心とした構造となっており、「函館でどのような時間が待っているのか」「どのような地域体験が始まるのか」を十分に感じられる状態にはなっていなかった。 観光導線や地域情報も断片化しており、空港到着後にどのように地域を回遊すればよいのかを直感的に理解しづらい状況が生まれていた。 函館という地域自体も、夜景や観光名所といった限定的なイメージで語られることが多く、その土地が持つ文化や歴史、人々の営みといった本質的な魅力まで十分に伝えきれていなかった。 本来、空港とは単なる移動の通過点ではなく、「地域の世界観と最初に出会う場所」である。空港で感じる空気感や情報体験は、その後の旅の印象や地域理解にも大きな影響を与える。 しかし当時、多くの地方空港では、“地域ブランドを体験する場”としての設計が十分に行われていなかった。 そのため必要だったのは、単なるサイト刷新ではない。「地方空港は、地域に対してどのような価値を提供できるのか」という視点から、空港そのものの存在価値を見直すことだった。

解決

“交通インフラ”ではなく、“地域との最初の接点”として設計する

函館空港を、単なる施設案内サイトではなく、「函館という地域との出会いを生み出すブランド体験」として再構築した。 フライト情報や施設情報を整理するだけではなく、「函館にはどのような文化や時間が流れているのか」「この場所からどのような旅が始まるのか」を自然に感じ取れるコミュニケーション設計を重視している。 観光導線や地域回遊も含めた情報体験全体を整理し、利用者が空港到着直後から地域との接続を感じられる導線設計を構築した。 BOELが「函と館」を通じて整理してきた、“函館らしさ”のナラティブとも接続しながら、観光地としての魅力だけではなく、人々の営みや空気感、文化的背景まで含めた地域ブランド体験を設計している。 目指したのは、「空港を利用してもらう」ことではない。「函館という地域との関係性を育てていくこと」を起点に、ブランドコミュニケーション全体を再構築することだった。 その結果、函館空港は単なる交通施設ではなく、「函館という地域ブランドを体験する入口」としてのアイデンティティを形成していった。

結果

“地方空港”が、“地域ブランド体験”を生み出す存在へ

これらの取り組みにより、函館空港は単なる交通インフラではなく、「函館という地域と出会うためのブランド体験」として、新しい価値を形成している。 利用者は空港情報を確認するだけではなく、「函館でどのような時間を過ごせるのか」「どのような地域体験が待っているのか」を自然にイメージできるようになった。 観光・地域情報・空港機能を横断的につなぐことで、地域回遊や観光体験への接続性も向上し、空港そのものが地域ブランドを伝えるメディアとして機能し始めている。 こうした再構築を通じて、「空港は移動のための施設ではなく、地域ブランドの価値を体験する場所である」という考え方は、地方空港における新しいブランドエクスペリエンスのあり方を示すことにもつながった。 結果として、このプロジェクトは単なるWebサイトリニューアルではなく、“地方空港の存在価値そのもの”を再定義し、地域ブランドと利用者をつなぐ新しい接点を構築する取り組みとなった。 この実績は、第三セクターにおけるブランド戦略や地域ブランディングの可能性を示す事例として、その後の北海道エリアにおける新たな相談やプロジェクトにもつながっている。 この取り組みの根底にあったのは、「空港を案内する」のではなく、「地域との新しい出会いを生み出す」という思想である。 移動の起点を、地域体験の起点へ変えていくことで、地方空港の新しい存在価値を再構築する取り組みとなった。

Type
faces

函館空港のType face

Color
Schemes

  • RGB / 255 255 255
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函館空港のイメージ画像
函館空港のイメージ画像
函館空港のイメージ画像
函館空港のイメージ画像
函館空港のイメージ画像
函館空港のイメージ画像
函館空港のイメージ画像
函館空港のイメージ画像
函館空港のイメージ画像

PROJECT

函館空港 コーポレートブランディング

CLIENT

函館空港ビルデング株式会社(現:北海道エアポート)

YEAR

2018
NEXT手紙寺故人との対話が、自分との対話になる。故人への手紙を通して、人が自分自身と向き合う時間を再設計したブランドプロジェクト 手紙寺は、故人へ宛てた手紙を書くことで、自分自身の心と向き合う場所である。 亡くなった家族や友人、大切な人へ想いを綴る。その時間は、相手に語りかけるようでありながら、自分自身の本当の気持ちと向き合う時間でもある。 本プロジェクトは、1200年以上の歴史を持つ證大寺が続けてきた「手紙参り」の思想を、現代社会へ届けるために始まった。 当初、私たちは證大寺が運営する複数の関連サイトの整理・統合を含めたブランディングプロジェクトとして参画していた。しかしプロジェクトを進める中で、住職である井上城治氏が長年大切にしてきた「手紙を書くこと」の価値に触れることになる。 井上氏が手紙を書き始めたきっかけは、若い頃に別れた恋人への想いだった。そして23歳で父を亡くしたとき、故人へ宛てた手紙を書く中で、一つの気づきを得る。 手紙に綴られていたのは、故人への言葉ではなく、自分自身の想いだった。 手紙を書く時間は、相手と対話するようでありながら、自分自身と深く向き合う時間でもある。その体験こそが、現代における新しい祈りの形ではないか。 私たちは、その思想に強く共感した。 BOELは、Webサイト制作を単なる情報発信の場としてではなく、「手紙寺とは何か」を社会へ伝えるブランド体験として再構築している。矢印のアイコン
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