研究成果だけでなく、その背景にある思想や可能性を可視化し、アカデミアと社会をつなぐブランド基盤を構築したプロジェクト
LSBM(Laboratory for Systems Biology and Medicine)は、東京大学を拠点に生命科学・システム生物学領域の研究を推進する研究室である。
大学には、社会や産業の未来を変える可能性を持つ研究や知的資産が数多く存在している。しかし、その多くは専門領域の中に留まり、研究室の外にいる人々からは存在すら知られていないことも少なくない。
近年では大学発ベンチャーや産学連携への期待が高まっている一方で、研究成果や研究室の価値を社会へ伝えることは容易ではない。優れた研究があっても、その背景にある思想や目指す未来が理解されなければ、社会との接点は生まれにくい。
本プロジェクトは、LSBMを単なる研究組織として紹介するのではなく、「アカデミアで生まれる知を、どのように社会へつないでいくのか」という視点から、その存在意義を再構築する取り組みとしてスタートした。
大学の研究室には、未来の医療や産業を支える研究が数多く存在している。
しかし、それらは専門家同士のコミュニケーションを前提としていることが多く、学生、企業、投資家、社会に対して十分に伝わっているとは言い難い状況があった。
LSBMもまた、生命科学やシステム生物学を中心に多様な研究を推進していたが、その活動領域は非常に幅広く、研究テーマも多岐にわたっていた。
そのため、研究成果を個別に紹介するだけでは、研究室全体として何を目指しているのか、どのような未来を構想しているのかを理解してもらうことは難しかった。
また、本郷キャンパスと駒場キャンパスを横断しながら研究活動を取材・撮影する中で見えてきたのは、それぞれ異なる研究分野でありながら、「生命を理解し、人類の未来に貢献する」という共通した思想だった。
必要だったのは、研究成果を並べることではない。
多様な研究を貫く思想やビジョンを整理し、研究室の存在価値そのものを社会へ伝えることだった。
本プロジェクトでは、個別の研究成果や論文を紹介することから始めるのではなく、LSBMがどのような未来を目指しているのかを整理することから着手した。
本郷キャンパスと駒場キャンパスを横断しながら研究者へのヒアリングや現地取材、撮影を重ねる中で見えてきたのは、それぞれ異なる研究テーマに取り組みながらも、「生命を理解し、人類の未来に貢献する」という共通した思想だった。
私たちは、その思想を研究室全体のブランドの核として捉え直し、専門性の高い研究内容を単に並べるのではなく、「なぜこの研究が必要なのか」「どのような未来を実現しようとしているのか」が自然に伝わるブランドコミュニケーションを設計した。
また、多様な研究領域や研究者の活動を一つのストーリーとして再編集することで、研究成果だけでは見えにくかった研究室全体の存在意義や社会的な価値を可視化している。
サイト設計においても、研究者同士のコミュニケーションを前提とした情報構造から、学生、企業、投資家、社会が研究室の挑戦や可能性を理解できる構造へと再構築した。
本プロジェクトでは、研究室を紹介することではなく、アカデミアで生まれる知を社会へ届けるためのブランド基盤を構築している。
これらの取り組みにより、LSBMは単なる研究組織ではなく、未来の医療や生命科学の可能性を探究する存在として、その輪郭をより明確に伝えられるようになった。
研究成果だけではなく、その背景にある思想やビジョンを可視化したことで、研究室全体として何を目指しているのかを社会が理解しやすい状態が生まれている。
また、本プロジェクトは研究室の活動を紹介するだけではなく、アカデミアで生まれる知と社会をつなぐためのコミュニケーション基盤としても機能している。
結果として、LSBMは研究成果の発信に留まらず、研究室の存在意義や未来への挑戦を社会へ伝えるブランドとして再構築された。
本プロジェクトは、「研究を伝える」ことではなく、「知が社会へ届く仕組みをつくる」ことを目指した取り組みである。
アカデミアで生まれる知が、より多くの人や社会と接続され、新しい価値へと発展していく。その可能性を可視化するためのブランドプロジェクトとなった。


RGB / 230 229 232
CMYK / 11 10 8 0
HEX #E6E5E8
RGB / 4 103 114
CMYK / 89 55 53 5
HEX #046772
RGB / 28 1 64
CMYK / 96 100 62 40
HEX #1C0140





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