自然・建築・滞在体験を統合し、日本におけるラグジュアリーリゾートの新しい価値を構築したブランドプロジェクト
JUSANDI は、石垣島の広大で豊かな自然環境の中にある、5棟のみのオールスイートヴィラ型リゾートである。
BOELは、本プロジェクトにおいて、ブランドコンセプト設計、コミュニケーション設計、コピーライティング、Webサイト開発を通じ、JUSANDIのブランド体験全体を構築した。
当時の日本では、ラグジュアリーリゾートといえば、「豪華な設備」や「高級感」を訴求する宿泊施設が主流だった。
一方、オーナーが海外で体験したラグジュアリーリゾートは、それとはまったく異なっていた。
島全体を使った雄大な自然の中で過ごす時間は、単なる宿泊ではなく、「自然の中で、人が本来の感覚を取り戻していく体験」そのものだったという。
その体験に強い衝撃を受け、「日本にも、人が心から安らぎ、感覚を整えられる場所をつくりたい」という想いから、JUSANDIの構想は始まっている。
しかし当時の日本には、“滞在体験そのものを価値化する”ラグジュアリーリゾートのブランドコンセプトはほとんど存在していなかった。
そこでBOELでは、AMAN、One&Only Resorts、Six Senses など、世界的なラグジュアリーリゾートブランドをリサーチし、「世界の富裕層が滞在体験に何を求めているのか」を分析した。
そこから見えてきたのは、ラグジュアリーとは単なる豪華さではなく、「どのような時間を過ごせるか」によって成立するということだった。
BOELは、海外ラグジュアリーリゾートにおける“滞在体験そのものを価値化する考え方”を、日本の文化や石垣島の自然環境へ翻訳し、JUSANDIのブランド体験として再構築している。
建築は、「台湾桃園国際空港第1ターミナルビル改修」「COREDO室町」「表参道Keyakiビル」などを手がける建築家・團紀彦氏が担当した。
「緑中白荘」をコンセプトに、亜熱帯の森に静かに佇む、白を基調としたモダンな空間が構築されている。
JUSANDIは、BOELにとっても大きな転機となったプロジェクトである。
ラグジュアリーブランドやホテルブランディングにおいて、「人がどのような時間を過ごし、どのような感覚を持ち帰るのか」を設計する重要性を深く学び、現在につながるブランド体験設計や空間ブランディングの思想を形成する原点となった。